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クリニックニュース 2022-10
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登山で注意すべき病気・症状 ~急性高山病と低体温症~
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日本医師会企画「健康プラザ」より引用 |
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登山で最も多い病気 急性高山病
高地では気圧が低く、空気に含まれる酸素が薄くなります。登山などで人が急に低酸素環境に置かれると、体が環境に合わせようとして、呼吸・循環・代謝が変化します。多くの人は順応できますが、一部の人は急性高山病を発症します。一般的には、海抜2,500m異常の高地に登って4~12時間で発症するといわれています。典型的な症状は頭痛で、そのほかに食欲不振・悪心・嘔吐、脱力、めまい・ふらつきなどが起こります。表のスコアを使って診断し、重症度を判定します。 |
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生命を脅かす高知肺水腫
急性高山病で最も重症な状態が高知肺水腫です。強い呼吸困難と咳、極度の疲労、意識障害などが起こり、動脈血酸素飽和度(SpO2)*が極端に低下します。急速に悪化すると生命の危険があるため、ヘリコプターなどで速やかに低地に下ろす必要があります。
*動脈を流れる血液中の酸素濃度を反映する値
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急性高山病の予防と対応
急性高山病にならないためには、「とにかくゆっくりと登る」中腹の山小屋で1泊するのも効果的です。もし急性高山病を疑う症状が出たら、治療の原則は「下山して硬度を下げる」ことですが、その高度にじっとして留まっていることにより、体の順応が進んで軽快することもよくあります。登山には、体調を整えて、ゆとりある旅程で出かけてください。 |
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侮れない低体温症
高度が1,000m上がると気温は約6℃下がるので、登山では寒さによる体への影響も無視できません。高地は寒冷環境であり、登山でも低体温症になる危険性があります。十分な装備と食料を整え、地形とルート、天候を把握し、低体温症にならないように留意してください。 |