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クリニックニュース 2019-8 |
高齢者の貧血 病気が隠れていることも
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日本医師会企画「健康プラザ」より引用 |
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採血検査で確認
貧血とは、血液中の赤血球やヘモグロビンが正常の状態より低下することです。したがって採血しなければ貧血の有無や程度、種類もわからないため、定期的な採血検査が必要です。もともと年齢を重ねるとともに、赤血球を造る力は低下します。男女ともヘモグロビン値11.0g/dL未満は貧血と考えてよいでしょう。
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高齢者の貧血の特徴
高齢者の貧血は、若い人と異なり、ほとんどの場合発症は穏やかです。典型的な息切れや動悸、倦怠感などの貧血症状というより、心不全や肺気腫などと症状が紛らわしいことが特徴で、図のような何らかの病気が原因となって起きる続発性貧血が約80%を占めます。
そのため、貧血の原因を調べているうちに隠れていた病気が見つかることがあります。例えば赤血球が小さくなる貧血は、ほとんどが胃や大腸などの消化管から出血し鉄が欠乏するために起こります。そして検査をするとがんが見つかることも少なくありません。 |
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病気により貧血になることも
甲状腺ホルモンやビタミンが欠乏して貧血になることもあります。
特に胃全摘をした方は、ビタミンB12の吸収に必要な物質を分泌する胃がないため、手術後5~10年で体内に貯蔵されているビタミンB12が枯渇して大球性の貧血になります。
他にも葉酸や亜鉛、ビタミンB6の欠乏でも貧血になります。これらは欠乏しているものを補充すると改善します。血液が作られる過程で異常が発生し、赤血球、白血球などの血球が減少する骨髄異形性症候群は、高齢者に多い血液疾患です。いずれの病気でも、早く見つけて早く直すのが治療の秘訣です。日頃からかかりつけ医を持ち、定期的に体調について相談しながら、症状に応じて専門医の紹介を受けましょう。 |
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